廻り階段はプレッカットの廻り階段でも一度原寸図を描くとその後の工程が正確でスピーディに行えます。
慣れれば10分程で描けるようになりますので手間も掛かりません。
描くと理解が早まり練習にもなります。
廻り階段
廻り階段とは、階段の道中で上り(下り)始めの進行方向と終わりの向きが変わる階段。
一般的には、90°もしくは180°に向きが変わることが多い。
段数は90°で1~3段まで、180°で1~6段までで回るのが理想的である。
まれに90°で4段回るケースも散見されるが、1段当たり22.5°では踏面の寸法が小さくなって上り下りに支障が出てくるので1段当たり30度以上にするのが好ましいです。

原寸図のすすめ
原寸図を描くメリットは2つあります。
1つ目は空間認知が明確になります。
階段は、1段1段位置が違います。
工事の図面にはその1段1段の位置の寸法まで明確に出ていません。
ですが、その1段1段を正確に納めないと階段そのものが歪な形になってしまいます。
そうならないよう実際の階段と同寸の図面を描くことによって正確な数字を読み取りましょう。
原寸図を描いて水平方向の数字を読み取りそこから、
階段を設置する現地の壁や軸柱に、原寸図から得た水平方向の数字と共に
縦方向の数字を明記すれば立体的な空間に位置を認識出来てきます。
2つ目は描くことによってシュミレーションができます。
原寸図を描いていくと徐々に頭の中で階段が組み上がっていき、立体的に捉えれる事が出来てきます。
更に、プレカット材との相違が無いかの確認も出来ますので、よりミスが少なくなります。
加えて、加工する際の加工墨も原寸図からそのまま転写することも出来るのでこの点でもミスが少ない施工が可能となってきます。
逆に、描く事に対するデメリットは殆ど無いので、階段施工が苦手な方や経験の浅い大工さん程、原寸図を描くことをお勧めします。
原寸図の書き方
先にも述べましたが廻り階段は1段30°までが基本です。
従って、90°廻りと180°廻りの各1段当たりの角度は下記の数字になります。

今回は180°廻り6段の原寸図を描いていきます。
下の図が6段右廻り原寸図のイメージ図です。

900や910のモジュールに合いやすい、サブロクのコンパネやボードの裏に描くのが使い勝手がいいです。コンパネやボードならわざわざ用意しなくても現場にあったりしますよね😄

①まずは、そのコンパネに芯墨と柱内墨、軸柱を描きます
その際、横軸の芯墨はコンパネの端部から30㎜ずらすのがコツです。
それは、7段目の蹴込みライン、
つまりは、6段目踏板の奥のラインですので、そこをしっかり明記させるためです。
このラインが記せないと6段目の形状が正確には出てこないからです。
(※30㎜というのは踏板の鼻の出の寸法でこれが20㎜なら20㎜ずらします。)

②次に、割り墨を出します
180°を6分割するので1段あたり30°それを軸柱の芯から30°ずつ放射線状に描きます。
段鼻芯の場合はこの割り墨が段鼻墨、蹴込み芯の場合はこの墨が蹴込みラインになります
30°の求め方は三平方の定理を使い、①の寸法を√3で割って(1/1.732倍)やれば②の寸法が出てきます。
そこをマーキング(黄色点)して軸柱の芯からラインを引いてやれば30°の墨が描けます。

この方法で求められた②の数字を用いて各段の割墨のポイントを出していきます。

ただし、この場合A、Bの寸法が①と同じ寸法の場合に限ります。
寸法が違う場合は各数字に√3で割って(1/1.732倍)求めて下さい。
求められた各ポイントに軸柱の芯からラインを引くと割り墨が出ます。
あとはこの割り墨に回る方向に鼻の出の寸法をずらして明記してやるとこれが蹴込みのラインになります。(※蹴込み芯の場合は回る方向の手前へずらしてやればそれが段鼻墨になります)




より詳しい解説はYouTube動画にてご説明しております。


下にPDF図面が御座います
よかったらご活用下さい


おじさん、
親切ぅ。


きっと、来世も
人間に生まれるよ


まだ死なん
PDF図面↓↓↓
https://bigdai9.com/wp-content/uploads/2021/02/軸柱周り.pdf
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