木造住宅の屋根に使われる屋根材はある程度勾配がないと葺けないものもあります。
縦平に葺く瓦棒や折板の金属屋根は1寸ぐらいの緩い勾配でも葺けますが、
日本瓦や洋瓦(モニエル)やセメント瓦はある程度の勾配が必要です。
シングルやコロニアル(スレート)も同じで、平均3寸勾配以上必要なものが多いです。
屋根材を吹き替えする際は、現状の屋根勾配が何寸勾配なのかを把握しておく必要があります。

屋根勾配の求め方
高さ÷距離×10
屋根の勾配は「3寸勾配」「4寸勾配」など
尺貫法の長さの単位で表されるので あまりピンと来ないと思いますが、
簡単にいうと、
10の距離に対して、3上がるのが3寸勾配で、
10行って4上がるのが4寸勾配です。

したがって、
100cmの距離で30cm上がれば3寸勾配になりますし、200cmで60cm上がっても同じく3寸勾配です。
勾配の求め方は 高さ÷距離×10 で何寸勾配か分かります。
また、距離×勾配÷10 で高さが出ます。

364÷910×10=4(寸勾配)
728÷1820×10 でも結果は同じである。


小屋裏に入れたら、
メジャーで測ってみたら分かるよね
モジュールが910㎜の場合、母屋や小屋束は大体モジュールと同じピッチで配置しますので、
4寸勾配の場合、軒先に一番近い母屋の高さは 910×4÷10=364 になります。
その次にある母屋(又は棟木)の高さは 1820×4÷10=728です。

910の中間辺り(455)で
高さを測ったら
182になるな

その通り
勾配を角度で表す

また、勾配を角度で表すと下の表になります


屋根に設置する、太陽光発電のソーラーパネルは、
30°前後の角度が、発電効率がいいらしい。

となると、6寸勾配の屋根か

しかし、
6寸勾配っていわれても
具体的にイメージわかねえけど…

3寸までは緩やかだが、大体
4寸辺りから注意しないと道具が転がり、
5寸を超えると足元が滑りだすのでちょっと怖くなるね。

6寸を超えたら完全に屋根専用足場がないと仕事ができないな。

矩勾配ぐらいになったら、ほとんど
壁にへばりついて仕事する感じだな。

大工さんも命がけだな。
画像から簡単に勾配を出してみる
屋根の画像をスマホに取り込んで、それを定規で測ってみる。
軒先(屋根の一番低いところ)から棟(屋根の一番高いところ)までの水平距離が約5センチ。

軒先から棟までの高さが約2.5センチ。

これを先程の公式に当てはめてみると、
2.5(高さ)÷5(水平距離)×10=5(寸勾配)
スマホの画像の屋根の勾配は5寸勾配という事になります。

なるほど!
今はなんでもスマホだな

但し、
屋根と同じ高さで撮影しないと角度が変わってしまったりとか、
画像の変形などで、実際の寸法とは幾分誤差が出る場合があるので、
参考程度までに留めておいたほうがいい。

撮影する際、高さが取れない場合は、
建物から距離をとると水平に近い状態にもっていけるぞ。

うん。
でも、おいら、
スマホ持ってなかった

・・・